21世紀の高齢社会における個人を中心とした保険・医療・福祉体制
国の保健・医療・福祉対策として平成12年4月から介護保険制度がスタートし、生活習慣病の一次予防を目的とした「健康日本21」(平成12年度から22年度)では国民に具体的な数値目標が示されている。また、2次予防としての保健事業第4次計画(平成12年度から16年度)では一般健診結果の要指導者に対して具体的な個別健康教育が求められている。 癌、心筋梗塞、脳卒中などの生活習慣病は日本人の死因の6割以上を占めており、その多くは中高年以後に発症するが、その起因は幼少期、学童期からの生活習慣からの積み重ねにある。しかしながら、若い世代には健康に対する意識は少なく、いかに個人、個人に対して健康教育を行うかが課題である。今後の若い世代の健康教育の方向として、従来の集団教育方式から個人個人の特性に合わした個人教育方式が求められる。 21世紀を迎えるにあたり、直面している少子高齢社会における問題の解決の糸口は、団塊の世代が描く将来の長寿社会像にあり、その1つに健康は個人に与えられた権利ではなく守る義務があるとの認識を持ち、生活習慣病の予防を目的とした健康度開発に努め、生涯現役の長寿社会を築くことが求められている。 そのための健康に対する新たなパラダイムの構築の時期が来ている。 健康概念として生命寿命から生活寿命(健康寿命)を追求する社会啓発が求められる。生活習慣病予防を目的とした健康度開発には、「集団から個人、個人から家族、家族から次世代」とした次世代に正しい生活習慣を伝える親の義務観も求められている。 21世紀には国民健康保険ICカード(健康のカギ)の導入により"揺り籠から墓場まで"の生涯にわたる一元化した健康管理システムの導入が可能となる。その基盤整備として遠隔健康管理システムが地域ごとに構築され、個人単位、家族単位と地域健康管理センターとの双方向ネットワークにて健康情報がやり取りされる時代となる。 |
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