新しい心肺蘇生法の展望:AED(自動対外式除細動器)を用いた救命法
この背景には、欧米では口対口人工呼吸に対して感染症を恐れる一般市民に抵抗感が増えていることが反映しています。幸いにも、小型軽量の携帯型の自動体外式除細動器(AED)の開発が進んだことから、AEDを用いた5分以内の早期除細動を行うことが可能になりました。 AEDは除細動が可能な電位波高の大きい(粗い)心室細動のみを波形認識し、自動的に電気エネルギーの充電をし、使用者はパッチ電極を患者の右前胸部と左側胸部に貼り付け、後は除細動ボタンを押すだけの極めて簡単な装置です。しかも、使用上の手順と注意は音声で指示をしてくれます。 心臓突然死の原因は心室細動で、心臓の筋肉が無秩序に興奮して心筋がケイレンし、心臓からの血液の拍出がなくなる心停止状態になります。すばやい電気ショック(除細動)を行うことが唯一の最も有効な救命手段です。心停止状態から除細動施行までの時間が1分経過するごとに約10%、生存率が低下すると言われています。 2003年4月からは、救急救命士は医師の指示なしで除細動を行うことができ、心停止後8分以内の早期除細動が可能となりました。 |
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