AEDを使用したBLSのやり方
米国心臓協会(AHA)心肺蘇生法国際ガイドライン2000では、目撃された心臓突然死患者の現場心電図の大部分が心室細動であるという疫学的根拠に基づいた最も有効な救命法が述べられている。心臓突然死患者の救命率は、心肺停止から除細動までの時間が1分遅れるごとに7〜10%低下し、心肺停止から12分以上経過すると、その救命率は2〜5%に過ぎない。このことから、早期除細動は、成人心臓突然死患者を救命できるかどうかの唯一かつ最大の有効手段であるとした。 地域社会における心臓突然死患者の救命には、通報を受けてから除細動まで5分以内に行える救急医療体制が勧告されている。AED(自動体外式除細動器)が自動認識し、除細動が可能である"粗い心室細動"を維持するためには、すぐ隣の人(バイスタンダー)による「一人で行うCPR」を始めとするBSL (Basic Life Support、一次救命処置)の社会普及がなお一層重要になっている。 AHA国際ガイドライン2000は、心臓突然死患者に対して「地域社会は究極のCCU(冠疾患集中治療室)である」を基本理念に掲げ、その実現のためにBLSにAEDの使用を組み込んだ新しい救命蘇生法を普及啓発し、最終的には一般市民を含めた非医療従事者によるパブリック・アクセス除細動(PAD)プログラムを提唱している。 今回、兵庫県医師会員を対象に行っている「AEDを使用したBLS」訓練法を中心に述べる。 【AEDを使用したBLSの手順:"AED First"】 AHA国際ガイドライン2000の中の「Heartsaver AED」訓練に準じた手順を使用した。心停止からの経過時間が判定できる目撃された心臓突然死患者で、施設内(病院内)で発生し、手元にAEDがない場合を想定した。日本語による音声指示の内容は、現在、日本で発売されている3機種とも同様である。今回の使用機種は、メドトロニック社製LifePaK500の音声指示の内容を記載した。 実際のやり方については、ホームページのライフサポートの項( http://www.hyogohsc.or.jp/life/frame.htm )に「AED(半自動除細動器)の使用法」と「健康センターでの救命救急訓練の模様」を音声と動画を使って説明した。 1)意識の確認:すぐさま肩や頬を叩きながら、「大丈夫ですか」と声をかける。 |
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