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兵庫県AED普及戦略2006

 


  兵庫県AED普及戦略2006
                           河村循環器病クリニック 院長
                              河村剛史

 2006年に開催される“のじぎく兵庫国体”では、公式競技および公開競技が県下のすべての市町で行われるのが特徴で、阪神淡路大震災の復興支援の感謝をこめて全県民が国体を支える「する、見る、支える」を標語に掲げております。

 しかしながら、近年の競技スポーツ中の死亡事故が散発している中、競技選手のみならず他県からの観客も含めて多数の参加者の安全を守る救急医療体制の面からは、競技会場が全県にわたるために集中管理ができず、緊急時対応の地域格差が生まれます。

 この不利な条件を有効に生かすには、これを機にすべての競技場において「AEDを中心にすえた救急体制」を確立することで、同時に全県規模のAED普及の好機と考えます。そのために県下の郡市区医師会が積極的に関与した体制づくりが必要です。

 兵庫県医師会では、すでに各競技会場に出務する医師にAEDを携帯することを想定し、2001年8月から医師会員を対象にAED指導者講習会を開催し、現在まで392人のAED指導者と232台のAEDが個人用として購入されています。本年度も県下9医療圏でAED指導者講習会を開催いたします。当初、2006年までの300台のAEDの購入を目標としていましたが、目標達成間近です。

 そこで、「兵庫県AED普及戦略2006」の提案ですか、2004年7月には、一般市民のAED使用が認められることから、まず、県下の小中高等学校にAEDを設置し、「生徒の命を守る体制づくり」からスタートします。2006年の国体開催時には、競技場の近隣の学校からAEDを貸し出すようにすれば、予算の有効かつ効率的な使い方になります。

 各競技場を管轄する医師会が中心となって競技会場の関係者や運営ボランティアを対象にAED講習会を開催すれば、緊急時の対応マニュアルの確認にもなります。山間部の競技会場で心臓突然死のような緊急事態が発生しても、AEDによる初期対応がなされれば救急ドクターヘリにて2003年4月に開設された神戸の災害医療センターへの搬送も可能です。

 兵庫県には、小学校858校、中学校403校、高等学校231校、高等専門学校2校計1489校があり、この構想が実現すれば、“のじぎく兵庫国体”に出務する医師の携帯AEDの台数も含めて1800台となり、各競技場に30台のAED設置が可能になり、世界に誇る「AEDを中心にすえた救急体制」が完成します。

 2006年“のじぎく兵庫国体”の開催を通して、兵庫県が日本のみならず全世界に「お互いの命を守る社会づくり」をアピールする絶好の機会と思います。

【戦略】

第1段階:医師会員に対するAED指導者講習会

第2段階:県下小、中、高等学校へのAED設置
      小学校858校、中学校403校、高等学校231校、
       高等専門学校2校 計1489校

第3段階:国体会場の管轄医師会が主催する
      会場関係者を対象としたAED講習会

第4段階:国体会場内のAED設置
      出務する医師はAEDを携帯(300台)
      AEDは近隣の学校からの貸し出し,最大1489台のAED設置可能



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