健康ニュース「Health for All」vol.1
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<本号の目次>

▼ お願い
▼ ご挨拶
▼ 連載特集
▼ 兵庫県立健康センターの話題
▼ 兵庫県内の話題
▼ 兵庫県外の話題

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<本文>

▼【お願い】

 このメールマガジンは、健康づくりをテーマに兵庫県立健康センターが編集し、不定期(月1回程度)に発行します。記念すべきこの第1号につきましては、ご了解もいただかずご迷惑とは存じますが、1998年6月より当センターとメールの送受信がございました方を中心に、個人約260件、団体約50件の合計約310件の方々にご送付させていただきました。誠にお手数ですが貴メールアドレスへのメールマガジンの送付停止につきましては、下記の当センターホームページより削除依頼いただきますようお願い申し上げます。

http://www.hyogohsc.or.jp/entry/frame.htm

 全体的なメールマガジンの構成は、本号に準じたものにしたいと考えております。ご意見、ご要望、記事等のご投稿につきましては、メール等でご送付いただければ幸せです。また、健康づくりに関するディスカッション、質問解決の場としてはメーリングリストを開設いたしております。併せてご利用下さい。

メール mail@hyogohsc.or.jp
メーリングリスト http://www.hyogohsc.or.jp/maillist/frame.htm から
health_for_all@hyogohsc.or.jp へ入会の上ご利用下さい。

 我々は純粋に多くの方々の健康づくりに寄与できればと考えております。インターネットにつきまして、未熟な我々がこうしてメールマガジンを発行できたのも、皆様方のご協力の賜物と感謝いたしております。今後ともご協力、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

▼【ご挨拶】

健康ニュース『Health for All』vol.1の創刊によせて
兵庫県立健康センター
 所長 河村剛史

 この度、かねてから念願であった電子情報版健康ニュース『Health for All』を刊行するすることが出来ました。
 来るべき21世紀の超高齢社会においては、一生涯にわたる生活設計なしには生き甲斐のある長寿を全うすることは難しいと考えます。その生活設計のひとつが、いつまでも積極的な社会参加ができる活動意欲を維持するための健康開発努力です。
 従来の健康づくりは、国民啓発的な集団指導であり、個人個人の身体,精神的状況に必ずしも対応したものではありません。しかしながら、氾濫する健康情報の中から自分にあった情報を選択することは難しく、時には誇大広告、口コミなどの誤った情報公害に惑わされ、むしろ健康を害し取り消しのつかないこともなりかねません。
 元来、人間にはすばらしい自然治癒力が備わっております。たとえ病気であっても生活習慣を見直すことによる体質改善の努力が健康開発であり、その意欲は同時に社会参加への活動力にもなります。
 昭和57年の開設以来、健康づくりに携わってきた兵庫県立健康センターが、医学的に証明された,きわめて常識的な健康情報を厳選し、皆様にお届けすることは、健康情報の大海原に見失うことのない灯台の道しるべとなると確信しております。これからの情報社会において、広大なサイバースペース(電脳空間)から正しい健康情報を選び出すメディア・ハブが兵庫県立健康センターの役目です。
 従来型の一方方向の健康ニュースではなく、読者からの意見や要望を電子メールで受けつけ、それを追加情報として掲載する読者参加型の双方向性を重視した電子情報健康ニュースを目指しております。
 次世代に正しい生活習慣を伝え、命輝く人生に挑戦しませんか。皆様の積極的参加をお待ちしております。

▼【連載特集】

「あなたは愛する人を救えますか」-心肺蘇生法は「命の教育」-
兵庫県立健康センター
 所長 河村剛史

 人が生きがいを感じる時は,自分らしさを求めて行動している時であって,目指した人生目標を達成した時ではない.
 団塊の世代といわれ,何事も競争の世界で育った私は,1972年(昭和47年)に神戸大学医学部を卒業した後,同じ医者になるなら当時,かっこいい響きのあった心臓外科医を目指そうと思い日本のトップで・nbsp;った榊原仟教授の率いる東京女子医大日本心臓血圧研究所外科(心研)に入局した.ここは旧来の年功序列の医局制度に縛られた出身大学を離れて自分の実力を試そうと全国から集まった若き精鋭医師の集団であった.榊原教授の教えは,「君達は狼友だ」と真の団結力のすばらしさを語っておられた.狼友とは,東洋の思想より発し,よく逆境にも耐え,強い意志を持ち,群れをなしては団結力に富み,孤独に・nbsp;っても荒野を駆けめぐる冷厳な魂の持ち主のことをいうのである.私にとってこの環境は水を得た魚の心境で,ここで今まで誰も取り組んでいなかった不整脈外科の研究に没頭した.榊原教授の退官後,日本で最初の心臓移植をした札幌医科大学教授の和田寿郎教授が後任教授として赴任され,心臓外科勃興期の2大巨頭に思いがけず師事する好運にも恵まれた.1985年にアメリカ合衆国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)医療センターに胸部臨牀外科准教授として留学したことも,将来,日本のトップの心臓外科教授になるステップと考えてのことであった.
 1986年(昭和61年)1月24日,島根県松江市で行われた日立対ダイエーのバレーボールの試合中に,フロー・ハイマン選手(アメリカのロスアンゼルスオリンピック銀メダリスト)が突然倒れ死亡したとのテレビニュースが飛び込んできた.長いラリーが続いている中,控えのベンチで突然前かがみに倒れたハイマン選手は,何をされることなく担架に乗せられて会場から運び出される光景が映し出されていた.日本で育った私にとってこうした光景は当たり前で,格段不思議には思わなかったが,そばにいた友人が突然,「なぜ,心肺蘇生法をしないのか」と叫んだ.「どうしてテレビで死にそうかわかるのか.君は結果論でいっているのだ」と反論したが,他のドクターやナースが「なぜ監督やコーチはタイムにしないのか」「選手より試合の方が大切なのか」「監督,コーチ,選手たちは心肺蘇生法を知らないのか」などと,次々と私にとって全く念頭にない批判の言葉を聞くにつけ,なぜアメリカ人はこんなことが指摘できるのか不思議でならなかった.
実はアメリカでは中学校(ミドルスクール)の保健体育の授業の中で心肺蘇生法を30年前から生徒に教えており,日常生活の中での心肺蘇生法は当たり前の一般常識となっていた.私が一番驚いたことは,生徒に目の前で突然人が倒れたらどうするかを問いかけ,まず意識の確認を行い,意識がなければ大声で助けを呼ぶことを教えていた.まさに見事な「命の教育」がなされていることに深い感銘を覚えた.帰国してハイマン選手のそばにいた選手の話を聞いたが,「先ほどまで元気だったハイマン選手が,突然,顔面蒼白,意識が無くなったので貧血と思い,まず控えの部屋に運ぶことにした」と述べていた.アメリカでは,意識がなければすぐさま大声で助けを呼び,試合会場内で心肺蘇生法,ついで救急隊による救命活動が行われるのが当たりで,日本の救急体制の遅れのみならず日本人には「命の危機に対する感受性」そのものも欠如していると感じた.
 空気と水と安全はただと考えている島国国家に住む日本人には,自分の命の危険を感じることがないばかりか,いつしか他人の命の危険にも鈍感になってしまった.その上,他人とのかかわりを避けようとする国民性は,目の前で倒れた人の命ですら積極的に救おうともせず,救急車を呼べば良いとの考えが当たり前の世界とな>っている.
日本人に欠けている「命の教育」に気づいた私は,アメリカでの貴重な経験を是非,日本に伝えたいとの思いが日に日に高まり,いつしか心臓外科医としての自分より社会啓蒙者としての自分の方が,これからの人生,より自分らしいと感じるようになった.生まれ故郷の兵庫県を活動の場に選んだのも,平成2年度から心肺蘇生法が兵庫県の県民運動になったのもこの思いから始まったことである.

続く

▼【センターの話題】

・ ホームページを更新
 http://www.hyogohsc.or.jp/
 主な更新点は
 健康ネット登録のページを新設しました。
  http://www.hyogohsc.or.jp/entry/frame.htm
 メーリングリストを新設しました。
 http://www.hyogohsc.or.jp/maillist/frame.htm
 当センターのサーバをお貸しするサービス及び「民間」「個人」のリンクのページを追加しました。
 http://www.hyogohsc.or.jp/link/frame.htm
などです。是非ご覧下さい。

・ CPR CD-ROMの実費頒布
 CPR CD-ROMを実費頒布しています。詳しくはホームページをご覧下さい。
 http://www.hyogohsc.or.jp/life/frame.htm

・ 毛髪による肥満遺伝子検査の開始
 「体質は体重計じゃはかれない」-知っていますか?自分の体質-
 自分が太りやすい体質かどうか、あなたはご存知ですか?髪の毛1本でできる「体質検査」で正しいフィットネスプランをみつけましょう。肥満に関する遺伝子、β3アドレナリン受容体遺伝子検査を始めました。
 検査料金 一般7,000円 パーソナルメンバー(兵庫県立健康センターの会員)5,600円

・ スポーツ栄養講座(基礎コース)のご案内
 健康に、効果的に運動を行うためには日ごろのコンディショニング法や食事の摂り方が重要です。本コースでは効果的な運動のためにはどのような食べ方をすればよいのか実例をあげて学習します。
 期日 6/12、7/10、9/11、10/9の計4日間
 時間 14時00分〜16時00分
 料金 6,000円
 講師 フィットネスアポロジャパン ニュートリションコーチ 海老 久美子他

・ ヘルシー教室のご案内
 生活習慣病予防のためには、日本古来の食事が適しているといわれています。東洋医学に基づいた健康法の解説をベースに雑穀料理や精進料理、薬膳料理づくりを体験してみませんか。
 期日 6/25、7/23、8/27、9/24の計4日間
 時間 10時00分〜12時00分
 料金 4,300円(実習材料費別途1回600円)
 講師 尼崎市民健康開発センタ−ハーティー21所長 藤岡 晨宏
     アレルギーショップえりむ店長 新居 和子
     兵庫栄養専門学校調理師科教授 深澤 譲
     管理栄養師 新谷 佳子

・ インターネットサービス停止のお知らせ
 5月30日20時より6月1日10時までの間、電気工事のためインターネットサービスを停止します。

センターの話題に関するお問い合わせ>
 (078)441-2234 または mail@hyogohsc.or.jp

▼【兵庫県内の話題】

・禁煙週間の実施
 兵庫県では、『喫煙は、がん、循環器疾患等多くの疾患の重要な危険因子であり、喫煙者だけでなく、まわりの非喫煙者の健康にも影響を及ぼすことから、生活習慣病を予防するうえで、喫煙対策は重要な課題となっている。世界保健機関(WHO)は、平成元年に5月31日を「世界禁煙デー」と定め、喫煙しないことが一般的な社会習慣となることを目指した決議を採択したところである。厚生省では平成
4年より世界禁煙デーから始まる一週間を「禁煙週間」と定め、平成7年3月には、「たばこ行動計画」を策定した。兵庫県では、これらを受けて、平成8年度に「たばこ対策検討委員会報告書」を取りまとめたところであり、現在、報告書の提言に基づいた喫煙対策を推進している。禁煙週間においては、今年の世界禁煙デーの趣旨でふる「禁煙支援」の推進により、県民がたばこのない生活習慣を身につけられるよう働きかけるなど各種喫煙対策事業を実施し、今後の喫煙対策推進へとつながるものとする。』を趣旨に、平成11年5月31日(月)〜6月6日(日)の一週間を禁煙週間とし、禁煙普及啓発事業等を展開します。
 詳しくは、兵庫県健康福祉部健康増進課(電話078-341-7711内線3245)まで。

・兵庫県内の公的施設職員を対象とした「健康運動実践指導者養成講習会」の開催
 10月19日(火)〜10月22日(金)、11月4日(木)〜11月5日(金)、11月16日(火)〜11月19日(金)の計10日間で、兵庫県立健康センターで実施します。
 詳しくは、兵庫県健康福祉部健康増進課(電話078-341-7711内線3245)まで。

▼【兵庫県外の話題】

・他府県の方々のご投稿及び健康づくり情報を可能な限り記載していきます。

注)兵庫県立健康センターは本メールマガジンからのリンク先でのトラブルにつきましては一切の責任を負いません。

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兵庫県立健康センター
〒658-0081神戸市東灘区田中町5丁目3番20号
TEL: (078)441-2234
FAX: (078)441-2149
URL: http://www.hyogohsc.or.jp/
mail: mail@hyogohsc.or.jp

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