Health for all (健康ニュース)Vol.55 2004年3月2日送付
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<本号の目次>
▼ TOPニュース
▼ 連載特集 「あなたは愛する人を救えますか」
▼ 健康づくりワンポイントアドバイス
▼ 兵庫県立健康センターの話題
▼ 兵庫県外の話題
▼ お願い
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▼ TOPニュース
・長寿の極意「筋肉鍛えて、血液サラサラ」
死ぬまで拍動する心臓の寿命は120年と言われますが、鍛えなければ足腰の筋肉の寿命は80年程度です。
長寿の道は『自立自尊』を達成するには、常に足腰を鍛える運動習慣あるいは生活活動が必要です。
80歳にして、2本足でまっすぐに立ち、好きな所へ自由に行ける自由度を持つには、日頃から正しい姿勢を意識して、膝を伸ばして、踵から地に付ける脊椎ストレッチウォーキングを行う運動習慣が必須条件です。
「自立自尊」を妨げる最大の障害は脳卒中です。血液の流れをサラサラにするには、定期的な水分補給の習慣を身に着けてください。夜寝る前に、深層水(マグネシウムを含む)を200cc飲むことをお勧めします。
人間の最高の死に方は夜間に起こる洞停止による心停止です。その時が訪れるまで筋肉は鍛え続ける努力が一生懸命に生きた人間の証と考えます。
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▼ 連載特集
「あなたは愛する人を救えますか」−求められる命を感じる医師
兵庫県立健康センター 所長
河村 剛史
2004年4月から医師の卒後臨床研修の必修化(義務化)がスタートする。医学部を卒業し医師国家試験に合格した医師は、これまで大学の医局に入局して医局単位で決められた研修医プログラムを受けていたが、どうしても入局した医局の専門分野に偏った研修となっていた。
新しい卒後臨床研修必修化の制度では、内科や外科、救急・麻酔科、小児科、精神科、産婦人科、地域医療・地域保健などを研修医が一定期間ごとに回ることになっている。特に、4ヶ月間は救急医療領域の研修を行うことになっており、医師としての基本に心肺蘇生法、AEDの習得が義務化されたことは画期的なことである。
米国心臓協会(AHA)心肺蘇生法国際ガイドライン2000の発表以来、日本においても救急医療体制の急速な進展が見られ、2003年4月からは救急救命士による医師の指示なし除細動が実施され、2005年7月をめどに気管挿管の実施などが予定されている。こうした背景には、心臓突然死の原因である心室細動に対する救命体制づくりに対して明確な国際統一の指針が定められたことが大きい。
これに付随したもうひとつの動きとして、二次救命処置(ACLS : Advanced Cardiovascular Life Support)の研修会が各地で開催されるようになったことである。兵庫県医師会では、3年前からAEDを使用したBLS(一次救命処置)の指導者講習会を開催しているが、ACLS研修会は、病院内に傷病者が搬送された後の病院内救急処置やり方の標準化を目指したものである。
ACLSプロトコールは、救急医療専門医、循環器専門医のみならず、二次救急医療機関で救急に携わる一般医師も対象にした心臓突然死に対する救命処置の標準化プログラムである。卒後臨床研修の必修化科目にも組み入れられており、今後、救命処置の習得は医師の基本技術として当たり前と見なされる時代となる。
心肺蘇生法の普及、さらに今後のAEDの普及は、「お互いの命を守る社会づくり」を社会の共通通念にする社会啓発である。この通念の醸成には、地域住民一人一人に対して、まず家族愛に訴え、隣人愛、職場愛、地域愛、社会愛、人間愛へと"愛"の輪を広げていくことである。
心室細動が原因である心臓突然死の究極の救命手段は、「心室細動は、地域住民が救える唯一の心臓病である」ことを啓発することである。そのためには、地域住民自身がAEDを使用し、「お互いの命を守る社会づくり」に積極的に参加することが求められる。
本来、救急医療は地域単位で考える問題であり、「他人の命を守ることが、自分の命も守られている」との社会通念のもとに地域住民が積極的に参加する体制づくりである。
地域の救急医療体制を確立するには、地域医療に携わる医師が先頭に立って地域住民に対して「自分の命は誰が守るのか」の問いかけが必要である。医師は、地域の救急体制を確立するためには何が必要かを提示し、この達成に向けて地域関係者との調整能力が試されている。
心肺蘇生法を習得した医師は、誰よりも早く急変をキャッチし、命の危機を感じる人間になれる。さらに、「命を感じる医師」になるには、医師である前に一人の人間として社会に何ができるかを考える視点を持つことが大切である。
病院の外に出て地域住民に心肺蘇生法の普及活動を行い、"命の尊さ"を訴える姿勢こそが、「命を感じる医師」になる第一歩であり、地域住民に「安心を与える地域病院」として信頼を得ることにもなる。
続く
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▼ 健康づくりワンポイントアドバイス
・減量のポイントは、体重維持です。
人間の体重維持機構は、視床下部(腹内側核、弓状核)にて一定になるようにコントロールされています。
肥満による体重が増加すると脂肪細胞から生理活性物質であるレプチン分泌が増加し、視床下部のレプチン受容体を介して作用します。これに反応して、脳下垂体を介して食欲抑制を行い、交感神経系を介してエネルギー消費を高めます。
短期間に減量を行うと体重維持機構が働いて、元の体重に戻すように調節します。そのために簡単に脂肪蓄積が生じリバウンドが起こります。
脂肪を燃やす有酸素運動にて筋肉維持もしくは筋肉強化を行っていない減食のみによるダイエットでは、元の体重では体脂肪率が増加する結果になり、さらに減量を難しくします。
理想的なダイエット法は、3ヶ月単位で1ヵ月1Kg の割で3Kgの減量をした後、3ヶ月間維持をして体重維持機構の体重基本設定のリセットを行います。次に再度、3ヶ月間で3kgの減量を行い3ヶ月の体重維持を行います。年間の体重減少は6kgを目安に徐々に体重を落としていくことがリバウンド防止になります。
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▼ 兵庫県立健康センターの話題
・AED使用したBLS法・プール水難事故救助法実技セミナーの定期開催のご案内
平成16年度にはAED(自動体外式除細動器)の一般市民の使用が解禁になることを受け、スポーツ指導者を対象とした「AEDおよびバックボードを使用した救助法講習会」を月1回定期的に開催しております。
講習内容は、AEDを使用したBLS(一次救命処置法)2時間、プールでのバックボードを使用した全脊椎固定救助法(2時間)で、講習最後に実技試験を行い、合格者には健康スポーツ関連施設連絡協議会からの認定修了書を授与いたします。
≪今後の開催予定日≫
平成16年3月21日(日)、4月22日(木)、5月27日(木)以下1ヶ月1回ペースで開催します。
≪定員≫
各10名(先着順)
≪受講料≫
10,000円
詳しくは、電話(078-441-2234)またはメール (tanabe@hyogohsc.or.jp)にて担当田邉まで
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▼ 兵庫県外の話題
・日本医師会、医師向けの2次救命処置(ACLS)研修を本年3月1日から開始
日本医師会では本研修を生涯教育に位置付け、常時救急医療に従事しないすべての医師を対象に実施する予定になっています。
日本医師会が提示した標準カリキュラムは、1次救命処置(BLS)、AEDの習熟に加え、ACLSとして心停止心電図の判読、気管挿管、手動式除細動の習得が入っており、7時間の講習時間となっています。
注目すべきは、常時救急業務に従事していない医師を対象としている点で、現在、各地で行われているACLS講習会を標準カリキュラムを満たせば日本医師会認定講習会として修了書を交付することになっています。
しかし、気管挿管に関しては本年7月より30例の臨床経験をした救急救命士に許可されることになっており、医師といえども気管挿管のトレーニングだけで実際の気管挿管は無理で、むしろ、バック・バルブ・マスクによる人工呼吸法に習熟することが実践的と考えます。
今、求められているのはAEDを使用したBLS(新しい心肺蘇生法)であり、一般市民も医師も救急車が到着するまでに行う早期除細動が心臓突然死の救命に最も効果的とされており、この普及こそが最優先課題です。次に、受け入れ病院を拡大するために、二次救急病院の救急に従事する医師を対象にACLS講習を行うことが現実的な対応ではないかと思います。
・第68回日本循環器学会心肺蘇生法市民公開講座のお知らせ
テーマ「いざという時に役立つ心肺蘇生法」
日時:平成16年3月28日(日)PM13:30〜16:20
場所:大手町サンケイプラザ 3階301号
司会:高山守正(日本医科大学第一内科)、池 研(岩手医科大学救急医学)
ゲスト市民:沼田靖子(アナウンサー)
講演会
(1)特別講演
「自動体外式除細動(AED)を使った新しい心肺蘇生法:命を救う主役は市民だ」
河村剛史(兵庫県立健康センター)
(2)心肺蘇生事例報告
心肺蘇生法実習
「新しい心肺蘇生法とAED使用の実際」
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▼ お願い
このメールマガジンは、健康づくりをテーマに兵庫県立健康センターが編集し、不定期(月1回程度)に発行します。本号は個人1147件、団体54件の合計1201件の方々に送付させていただきました。誠にお手数ですが貴メールアドレスへのマガジンの送付停止につきましては、下記メールアドレスに連絡いただきますようお願い申し上げます。
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兵庫県立健康センター
〒658-0081神戸市東灘区田中町5丁目3番20号
TEL: (078)441-2234
FAX: (078)441-2149
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mail: mail@hyogohsc.or.jp
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