適度のアルコール飲酒は虚血性心疾患の発生を減少させる

 


 生活習慣と虚血性心疾患の調査研究で世界的に有名なフラミンガム研究において飲酒習慣に関する研究結果が循環器専門雑誌「Circulation」に発表されました。

  アルコールと血液検査との関連では、アルコール飲酒量が増えるにつれ、動脈硬化を防止する善玉コレステロール(HDL)が増加し、血液を固まりやすくする血液凝固因子を減少させ、血液をサラサラにし、心筋梗塞を予防します。

  しかし、過度の飲酒では、逆に血液を溶かす線溶系の障害が起こり、逆に血栓形成の原因となり、心筋梗塞の発生を高めます。学問的に適量というのは、週にビール缶(350cc)を3缶から7缶程度、日本酒であれば、1日1合程度になります。ワイン、ウイスキー、焼酎でも種類の差はありません。
 
  最近有名になった長時間の飛行機内でおこるエコノミークラス症候群(肺動脈血栓塞栓症)の予防には、飛行機内での水分補給(マグネシウムを含んだ深層水が有効)を充分にして、定期的なトイレ歩行をすれば予防できますが、水分補給のつもりでアルコールを飲みすぎるのは血液を固まりやすくして逆効果になります。
 
  正月を迎えて、どうしてもお酒の飲みすぎになりますが、自己診断法としては心拍数の増加(100/分以上)、血圧上昇があれば飲み過ぎの危険信号です。くれぐれも、一度に飲み過ぎないように注意してください。



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