脂肪細胞は過剰エネルギーを中性脂肪として蓄積する単なるエネルギー貯蔵庫ではなく、さまざまなホルモンや生理活性物質を分泌して、生体機能を調節する機能を有しています。その分泌ホルモンの発見の発端がレプチンで、エネルギー過剰になれば脂肪細胞から分泌され、脳視床下部のレプチン受容体に結合して、食欲低下を来たします。
また、下垂体に作用して甲状腺刺激ホルモンの分泌を介して甲状腺ホルモンの分泌を高め、同時に交感神経活動を亢進することによりエネルギー代謝を亢進して過剰エネルギーの消費を促す働きをします。
しかし、脂肪細胞が肥大した肥満状態では、レプチンの作用が低下するレプチン抵抗性となり、本来の機能を果たせなくなります。悪いことにレプチンの交感神経活動の亢進は維持される為に肥満になればなるほど高血圧になるといわれています。
肥満で高血圧の人は、まず減量によりパンパンに張った脂肪細胞中の中性脂肪を消費させ、余裕を持たせることが高血圧治療となります。