筋肉内へのブドウ糖の取り込みには、細胞膜のインスリン受容体にインスリンが結合し、細胞質内にあるグルット4(Glut4)と言われる取り込み口が細胞膜に移動してブドウ糖を細胞内に取り込む機序が知られています。
最近の研究では、運動自体がグルット4を細胞膜に移動させる機序があることが解明されました。運動により、筋収縮エネルギーであるATPが消耗するにつれ、AMPカイネースという酵素が活性化され、ブドウ糖の細胞内の取り込みを促進します。
さらに、筋肉内に発生したブラディキニンにも同様の作用があり、インスリン欠乏状態でも運動することにより血液中のブドウ糖を低下させることができます。
毎日、定期的に有酸素運動を行うことは、単に内臓脂肪を燃やすだけでなく、血中のブドウ糖そのものをインスリンの助けなしに燃焼させることなります。糖尿病の運動療法は、インスリン分泌が少ない人でも有効であるといえます