腰と脚が連動し、上体の姿勢が伸びたスムーズで大きくリズミカルな歩行は美しく、ちょっとした芸術的な動きになります。兵庫県立健康センターでは、効率のいい脊椎の伸びた歩行方法を「脊椎ストレッチウォーキング」と名づけ、健康づくりの指導に役立てています。
運動不足で肥満や体調不良になり、あわててウォーキング。歩くことならできると過信し長時間行なってしまう。けれども、悪いフォームで歩くと結局身体を痛めて失敗することになります。
当センターでは、歩くということを健康づくりと姿勢の矯正という二つの目的に使い分けて指導していますので、それをご紹介しましょう。
有酸素運動を目的とするウォーキングの方法は、効率のいい足の運びでテンポ良く進むことです。
次のように足を運んでみてください。
(1)膝を伸ばして、かかとから着地する。
(2)着地したと同時に、かかとの上におへそを乗せていく。
(3)着地した足の裏が全部、後ろに見えるように親指の付け根を押し出す。
このように足を運べば正しくかかとから親指の付根の方に力が移動しますし、足の移動が車のタイヤのように効率の良い動きになります。
? 姿勢を矯正するには、脊椎を前後左右から真っ直ぐに保持した状態でウォーキングし、脊柱起立筋をバランスよく鍛えるというのが基本的な方法です。
以下がその状態を作る方法です。
(1)頭の頂点から糸が操り人形のように天井に繋がり、その糸を釣り上げる感じで踵を上げずに身体を伸ばし、あごを少し出し、首筋を立てる。
(2)身体を釣り上げた状態で、お腹を斜め後方に引き上げた状態をつくる。
この姿勢で歩きます。踵から着地し、腕は力を抜いて自然に振ってください。最初はかなり疲れますので、5分程度から始めてください。慣れれば長時間の歩行が可能になります。
姿勢のいい、バランスのとれた美しい歩行は、必ず健康づくりに役立ちます。さああなたも一日に一回、脊椎ストレッチウォーキングを始めましょう。