ストレスは交感神経を介して心臓血管系に影響を及ぼします。短期の過度なストレス(急性ストレス)は、一時的な心拍数の増加や血圧の上昇を来たし、これが契機に心筋梗塞、脳梗塞、くも膜下出血などを発症する原因にもなります。しかし、中等度のストレスが身体に影響を及ぼすことはありません。
長期にわたるストレス(慢性ストレス)は、交感神経の緊張状態のみならず副腎皮質系の緊張状態をもたらします。副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンは、短期では血圧などの急激な低下によるショック状態を改善する強力なホルモンですが、長期の場合には、免疫能の低下を来たします。
さらに、副腎皮質から分泌されるアルドステロンは、以前は単に腎臓でナトリウムの再吸収を促進する抗利尿作用あると思われていましたが、最近の研究では、心血管系において心肥大、動脈硬化の促進の元凶であることが知られるようになり、心不全治療の大きなターゲットになっています。
マグネシウムは、自然のカルシウム拮抗作用があることが知られています。血管壁のL型カルシウムチャンネルを介して血管拡張作用のみならず、交感神経末端でのN型カルシウムチャンネルを介して交感神経抑制作用があります。もっとも注目すべきは、アルドステロンの分泌を減少させる作用もあることです。
日本の水は軟水で、ミネラルをほとんど含んでいない水を毎日飲んでいます。特に、ストレス時には血中マグネシウムが低下することからも、最近のストレス社会では色々な意味で、マグネシウム飲料を摂取することが、血管を若く保ち、心臓突然死の予防にもつながるものと考えています。