今年から兵庫県立健康センターの検診項目に新たに加わった糖尿病の指標のヘモグロビンA1cは、梗塞性疾患の重大な危険因子です。
ヘモグロビンA1cは、赤血球の成分であるヘモグロビンが血糖(グルコース)と結合したもので、活性酸素の働きによる糖化作用です。別名、グリコヘモグロビンと言います。
糖化作用を受けた赤血球は硬くなり、正常な赤血球のように狭い毛細血管内でも形を変えて(可塑性)流れなくなり、また赤血球同士が引っ付き易くなり(凝集)、毛細血管レベルでの閉塞(微小血管傷害)を来します。糖尿病の合併症として網膜症(最悪の眼底出血)、腎臓障害はこれが原因です。赤血球の凝集しやすいために、心筋梗塞、脳梗塞の大きな原因になります。
正常値の上限は5.8%(全赤血球に対する割合)ですが、5%台の人は糖尿病ではありませんが、生活習慣病予防には食生活の見直しが必要です。赤血球の寿命は120日ですので、1度糖化作用を受けた赤血球は壊れるまで悪影響を及ぼします。